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Amazon広告のACOSとは?計算式・目安の決め方・下げる方法を解説

西川 正太可(Nishikawa Masataka)

トゥルーコンサルティング株式会社
取締役・中小機構販路開拓支援アドバイザー

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キャンペーンマネージャーに並ぶACOSの数値を見ても、自分の商品にとって高いのか低いのか、下げるべきなのかの判断がつかない方は多いのではないでしょうか。

ACOSは「広告費÷広告経由の売上×100」で求める指標で、許容できる上限は商品の粗利率で決まります。全商品に共通する正解値はありません。

この記事では、ACOSの意味と読み方、計算式、ROASとの違い、粗利率から目安を出す手順、数値が高いときの原因別の下げ方を順に解説します。

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目次

Amazon広告のACOSとは

ACOSは日本語で広告費売上高比率と呼ばれ、Amazonのクリック課金制の広告キャンペーンを測定する指標です。かかった広告費と広告経由の売上を比べることで、広告の費用対効果を判定できます。

ACOSについては以下の点をおさえておきましょう。

  • 読み方は「エーコス」、意味は広告費売上高比率
  • ACOSが低いほど少ない広告費で売上を作れている
  • ACOSはキャンペーンマネージャーのデータ表で確認できる

読み方は「エーコス」、意味は広告費売上高比率

ACOSの読み方は「エーコス」が主流ですが、「エイコス」や「エーシーオーエス」と読まれることもあります。正式な読み方は決まっていないため、どれを使っても問題ありません。日本語の名称は、広告費売上高比率といいます。

Amazon広告の管理画面や公式ガイドでは「ACOS」と表記されています。WEB上の記事や資料では「ACoS」と書かれることもありますが、大文字と小文字が混ざっていても同じ指標を指しています。

ACOSが低いほど少ない広告費で売上を作れている

ACOSの数値は、低いほど広告費に対して広告経由の売上が大きいことを示します。逆に数値が高いときは、かかった広告費が利益を圧迫している状態です。公式の例で言うと、広告費50ドルを使って広告経由の売上が100ドルだった場合、ACOSは50%になります。

ただし、数値が低ければ良いとは限りません。ACOSは広告キャンペーンの一面にすぎず、新しいキャンペーンはデータが少ないため数値が高くなる傾向があります。

数値を下げようとして入札を下げすぎると、表示回数とクリックが減り、売上そのものが落ちてしまいます。適正な値は商品の粗利率で決まるため、バランスを見ながら調整するとよいでしょう。

ACOSはキャンペーンマネージャーのデータ表で確認できる

ACOSの数値は、Amazon広告のキャンペーンマネージャーのデータ表や、ダウンロードできるレポートで確認できます。表の上の「列」ボタンから表示する指標を選び、「期間」ボタンで今日や昨日、全期間などを指定して確認してみましょう。

ここで注意したいのは、数値が確定するまでの時間です。各指標は1時間ごとに更新されますが、売上の反映には最大48時間かかります。

広告費についても、クリックから3日後まで更新される可能性があります。そのため、「昨日」の表示はデータが不完全な場合があると覚えておきましょう。

実際に確認するときは、キャンペーンや商品ごとにACOSを並べてみましょう。次の計算式で分母の金額を確かめてから、目安の項目で粗利率と比べると、現状を正しく把握できます。

Amazon広告のACOSの計算式は広告費÷広告経由の売上×100

ACOS(%)は、「広告費÷広告経由の売上×100」という式で計算します。ここでの分母は広告に起因する購入の合計金額であり、店舗全体の売上ではない点に注意しましょう。広告費と広告経由の売上のバランスで、数値がどう変わるか見てみます。

広告費広告経由の売上ACOS
30,000円150,000円20%
45,000円150,000円30%
30,000円100,000円30%

広告費が同じ30,000円でも、広告経由の売上が150,000円ならACOSは20%ですが、売上が100,000円に減ると30%に上がります。

広告経由の売上には、広告をクリックしてから一定期間内の注文が含まれます。出品者が使うスポンサープロダクト広告では7日間、スポンサーブランド広告では14日間が集計期間です。

支払い失敗や72時間以内のキャンセルは集計から除外されます。同じ広告でも、集計する期間を変えるとACOSの数値が変わるため、期間を合わせて分析すると比較がぶれません。

関連記事:Amazonスポンサープロダクト広告とは?費用・設定手順から運用のコツまで解説

Amazon広告のACOSの目安の決め方

ACOSの数値には、すべての商品に共通する目安がありません。許容できるACOSは、商品の粗利率と広告の目的によって決まります。

自社の商品に合った目安を決めるには、以下の手順で計算してみましょう。

  • ACOSに決まった正解値は無く、粗利率が上限になる
  • 損益分岐ACOSは粗利率と同じ値になる
  • 目標ACOSは損益分岐から残したい利益率を引いて決める

ACOSに決まった正解値は無く、粗利率が上限になる

良いACOSを示す決定的な数字はなく、業界や会社の規模、キャンペーンの頻度で大きく異なります。商品の利益を維持するには、ACOSが利益率より低い状態を保つのが基本です。

たとえば同じACOS 25%でも、扱う商品によって結果が変わります。粗利率40%の商品の場合は利益が残りますが、粗利率20%の商品では赤字になってしまいます。

損益分岐ACOSは粗利率と同じ値になる

広告費を引く前の粗利率は、損益分岐ACOSと呼ばれます。たとえば売価3,000円で粗利が900円なら粗利率は30%となり、ACOS 30%が利益ゼロの境目です。

粗利は、売価から仕入原価やAmazonの販売手数料、FBA配送料、FBA保管手数料、梱包などの経費を引いて計算します。

項目金額
売価3,000円
仕入原価1,500円
販売手数料・FBAの手数料・経費600円
粗利(広告費を引く前)900円
粗利率=損益分岐ACOS30%

この計算で広告費は引きません。販売手数料は商品カテゴリーごとに異なるため、ご自身の商品に合わせて正確な数字を当てはめてみてください。

目標ACOSは損益分岐から残したい利益率を引いて決める

目標ACOSは、損益分岐ACOSから残したい利益率を引いて決めます。粗利率30%の商品で売価の10%を利益に残したいなら、目標ACOSは20%です。

損益分岐ACOSを利益率と比べたうえで、売上の拡大と認知の向上のどちらを優先するかで目標を決めましょう。新商品の立ち上げや認知拡大の期間は、損益分岐に近いACOSを期間を区切って許容し、利益を回収する期間に入ったら目標を下げていきます。

現在のACOSが35%で粗利率30%なら、1件売るごとに赤字が出ている状態です。その場合は目標を20%に置き、後の項目で解説する方法で原因を切り分けてみてください。

Amazon広告のACOSとROASの違いは分子と分母の入れ替え

ROASは「広告経由の売上÷広告費」で計算する指標で、ACOSの逆数にあたります。Amazonの管理画面では、ROASは倍率で表示されます。

公式の例を借りると、広告費50ドルで売上100ドルの場合、ACOSは50%、ROASは2です。同じ成果を「売上に占める費用の割合」で見るか「費用に対する売上の倍率」で見るかという違いがあります。

ACOSROAS
10%10倍
20%5倍
25%4倍
33%約3倍
50%2倍

キャンペーンの成果を包括的に把握するには、両方の指標を確認すると判断材料が増えます。ROASは他の広告媒体でも広く使われているため、複数の媒体で成果を並べて比べるときに換算すると便利です。

Amazon広告のACOSを下げる方法

ACOSは「CPC÷(CVR×平均注文額)」という式に分解できます。そのため、CPC・CVR・注文額のどれが悪いかによって有効な打ち手が変わります。成功したキャンペーンと失敗したキャンペーンを調べ、資金の投入先と削減の機会を見つけていきましょう。

  • 検索用語レポートでCTR・CPC・CVRを比べて原因を切り分ける
  • CVRが低いときは商品ページと価格を先に直す
  • CPCが高いときは入札額を下げて成果の出る語に絞る
  • CTRが低いときは関連性の低い語を除外し画像と商品名を見直す
  • 下げすぎると売上が落ちるためTACOSで店舗全体の売上も見る

検索用語レポートでCTR・CPC・CVRを比べて原因を切り分ける

原因の切り分けには、検索用語レポートを活用します。このレポートでは、購入者が実際に検索した語のうち広告のクリックが1回以上あった語について、詳しい数値を確認できます。

表示されるのは、インプレッションやクリック、CTR、CPC、売上、注文数といった語ごとの結果です。CTRは「クリック÷インプレッション」、CPCは「1クリックあたりの平均費用」を意味します。

指標悪いときに起きていること主な原因打ち手
CVRが低いクリックされても買われない商品ページ・価格・レビュー商品ページと価格を直す
CPCが高い1クリックの費用が売上に見合わない入札額が高い・競合が強い語入札額を下げ、語を絞る
CTRが低い表示されてもクリックされない関連性の低い語・画像・価格語を除外し、画像と商品名を直す

ACOSの計算式の分母にはCVRが入るため、CVRを改善すれば同じ広告費でも売上を増やせます。入札の調整だけでは分子しか動かないため、原因に合わせた対策を進めましょう。

CVRが低いときは商品ページと価格を先に直す

CVRが低いときの打ち手として、メイン画像やサブ画像、商品名、箇条書きの改善があげられます。あわせて、商品紹介コンテンツ(A+)や価格、レビューの数と評価、在庫とカートの取得状況なども見直してみてください。

CVRが低いままだと、広告の入札を下げても1クリックあたりの売上が増えません。これはACOSの式で分母が小さいままの状態のため、まずは商品ページと価格から直していきます。

関連記事:Amazon A+(Aプラス)とは?種類・料金・作り方を解説

CPCが高いときは入札額を下げて成果の出る語に絞る

CPCが高いときは、目標ACOSを超える語の入札額を段階的に下げます。成果の出ない語を除外キーワードに登録したり、成果の出る語を完全一致のマニュアルターゲティングに移して入札を集中させたりするのも有効です。

除外キーワードの完全一致を使うと、その語句と近い変化形の検索に広告を出さないよう設定できます。完全一致は、指定した語が検索語と一致したときだけ表示する設定です。

ただし、入札額を下げすぎると表示回数が減り、売上が落ちるリスクがあります。広告経由の売上は反映に最大48時間かかり、注文はクリックから7日間計上されるため、変更後は数日置いてから結果を判断しましょう。

関連記事:Amazon広告の種類一覧!違いや費用・出し方から運用のコツまで網羅

CTRが低いときは関連性の低い語を除外し画像と商品名を見直す

CTRが低いときは、検索用語レポートで表示が多くクリックされない語を除外するとよいでしょう。あわせて、メイン画像と商品名を検索語に合う内容に変更し、価格に競争力があるかどうかも確かめてみてください。

オートターゲティングでは、Amazonが類似の商品と広告をもとに語と商品を選ぶため、商品に合わない語にも広告が表示されます。関連性の低い語を除外で絞らないと、表示回数だけが増えてCTRが下がります。

関連記事:AmazonのSEOとは?検索順位を上げる方法と仕組みを解説

下げすぎると売上が落ちるためTACOSで店舗全体の売上も見る

ACOSだけを下げる運用には落とし穴があります。ACOSは広告の成果を見る一面にすぎず、入札を絞ると表示が減って店舗全体の売上が落ちる場合があるためです。

広告以外の売上も併せて見るには、TACOS(広告費÷店舗全体の売上×100)という指標を使います。分母に広告経由と自然検索経由の両方の売上を含むため、ACOSが横ばいでもTACOSが下がっていれば、広告以外の売上が伸びていると分かります。

原因の切り分けと打ち手が分かっても、商品ページの改善と入札調整を毎週続けられるかどうかで結果が変わります。自社の体制を振り返りながら、続けられる形を整えていきましょう。

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まとめ:Amazon広告のACOSは粗利率を上限に目標を決めて下げる

ACOSは「広告費÷広告経由の売上×100」で計算され、許容できる上限は商品の粗利率である損益分岐ACOSです。目標ACOSは、損益分岐から残す利益率を引いた値を目安に設定します。

数値が高いときは、CVR・CPC・CTRのどこに問題があるかを切り分けてから直していきます。自社だけで改善を続けるのが難しい場合は、トゥルーコンサルティングの無料相談をご利用ください。

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