楽天の転換率の平均は?目安と自店舗の確かめ方・上げる施策を解説


西川 正太可(Nishikawa Masataka)
トゥルーコンサルティング株式会社
取締役・中小機構販路開拓支援アドバイザー
特定カテゴリでNo.1企業 20社以上創出月商1,000万から月商3億円までEC経営戦略・マーケティング支援を実施
自店舗の転換率が業界水準より高いのか低いのか、比較対象となる数値が分からず困っている方は多いのではないでしょうか。実は、楽天は転換率の平均値を公式には発表していません。
そのため、比較対象は自店舗で設定する必要があります。自店舗と同じジャンルの店舗平均であれば、RMSのR-Karte(店舗カルテ)の機能を使って確認することが可能です。まずは正しい基準を設け、自店舗の現状を把握するところから始めましょう。
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楽天市場の転換率の平均は同じジャンルで見る
転換率が妥当か評価するには、比べる相手を正しく決めることが第一歩です。参照する基準として、楽天市場全体の数値を探す必要はありません。取り扱う商材によって売れやすさは大きく異なるため、比べる相手は自店舗と同じジャンルの店舗平均になります。
- 楽天が公表している平均値はない
- R-Karteで同ジャンルの店舗平均と比べる
- 月商が近い店舗の平均も基準になる
楽天が公表している平均値はない
大前提として、楽天は店舗の転換率の平均値や目安となる数字を公表していません。楽天の売上方程式の解説にも、業界の平均値と比較して評価するという説明があるだけで、具体的な数値そのものは記載されていません。
インターネット上の記事や資料を見ていると、1〜3%といった数字を見かけることがあります。しかし、これらは出典の記載がないものが多く、自店舗の状況を正しく評価するための基準には使えません。代わりに使うべきなのは、RMSを通じて自店舗と同じ条件の店舗と比較して把握する数値です。
R-Karteで同ジャンルの店舗平均と比べる
RMSに用意されているR-Karte(店舗カルテ)には、競合比較機能が備わっています。これを利用すれば、自店舗の転換率を楽天市場内の同じジャンルの店舗平均と直接比較できます。
さらに、比較できる指標は転換率だけではありません。アクセス数や客単価も含まれています。同じジャンルの上位店舗が持つ傾向とも比較できるため、平均値との差と上位陣との差をそれぞれ分けて見ることが可能です。転換率、アクセス数、客単価の3つのうち、まずは自店舗の数値が平均から最も離れている指標を特定してみましょう。
月商が近い店舗の平均も基準になる
同じジャンルの平均に加えて、R-Karteの「月商別平均値」という項目も重要な基準になります。ここでは、自店舗より月商が高い店舗のデータを表示して比較できます。
同じジャンルを扱っていても、店舗の規模によって各数値は変わるものです。そのため、月商の近い層と比べたほうが、数字の差が持つ意味を正確に読み取ることができます。今後の目標をどこに置くか迷ったときは、自店舗よりも一段上の月商層の数値を一つの目安に設定してみてください。
楽天市場の転換率とは
転換率とは、店舗のトップページや商品ページを訪れた人のうち、実際に商品を購入した人がどれくらいいたかを示す割合のことです。計算式は「購入した人数 ÷ アクセス人数 × 100」で、単位は%で表されます。
楽天市場では転換率と呼びますが、一般的なECサイトやウェブ広告の分野で使われるCVR(コンバージョンレート)と同じ意味です。
売上は、ECサイトの売上方程式のとおり次の3つの要素の掛け算で構成されています。
- ページを訪れたアクセス人数
- 実際に商品を買ってくれた割合(転換率)
- 一人の顧客が支払った金額(客単価)
例えば、アクセス人数1,000人のうち25人が購入した場合、転換率は2.5%です。転換率が高まれば、広告費を増やしてアクセスを集めなくても、今あるアクセスだけで売上を伸ばせます。
R-Karteでは、店舗全体の転換率と商品ごとの転換率の両方を確認できるため、状況に合わせた分析が可能です。
自店舗の転換率が平均より低いか確かめる方法
比較する基準が決まったら、実際に自店舗の数字を取り出して見比べる作業に移ります。確認は次の順番で進めていきます。
- 店舗全体の転換率を期間ごとに確認する
- 前年の同じ時期と自店舗の数字を比べる
- アクセスは多いが転換率が低い商品を探す
詳しい分析ツールの比較や選び方は、【2026年版】楽天の無料分析ツールを目的別に解説がおすすめです。
店舗全体の転換率を期間ごとに確認する
R-Karteでは、店舗全体の転換率を日別や月別の推移として確認できます。日別や月別のグラフを並べてみると、スーパーSALEなどのセール期間と、イベントがない通常期間の数字の差がはっきりと見えてきます。
推移を比べるときは、セールが含まれる月と含まれない月をしっかりと分けて数字を追うとよいでしょう。また、パソコンとスマートフォンのどちらから購入されているかというデバイス別の内訳や、新規顧客とリピーターの割合の違いも確認が可能です。
前年の同じ時期と自店舗の数字を比べる
R-Karteでは自店舗の前年度のデータも表示できるため、過去と比較した現状把握に役立ちます。前年の同じ時期の数字と見比べれば、季節によって起こる自然な変動と、自店舗の施策によって起きた変化を切り分けられるのです。
もし、同ジャンルの平均が下がっている時期に自店舗の数字も下がっていれば、それは市場全体の変動として扱えます。一方で、平均が横ばいなのに自店舗だけが下がっている場合は、商品ページの内容か、集客している顧客の質に原因があると考えられます。
アクセスは多いが転換率が低い商品を探す
店舗全体の傾向がつかめたら、R-Karteを使って商品ごとのアクセス数、売上個数、転換率を確認します。改善を進める上で最も優先すべきなのは、アクセス人数が多いにもかかわらず転換率が低い商品です。たくさんの人が見ている商品を直せば、売上の増え方もそれだけ大きくなります。
商品別のアクセス数と転換率を一覧にして並べ、アクセスが上位にある中で転換率が下位のものを抜き出しましょう。アクセス人数が少ない商品は、転換率を改善しても売上への影響が小さいため、まずは抜き出した商品から順番に改善を進めるとよいでしょう。
楽天市場で転換率が低くなる主な原因
自店舗の転換率が基準を下回っているとき、そこにはいくつかの共通する原因があります。原因は一つだけでなく複数が重なっていることが多いため、アクセスの多い商品から順番に、次の状況が起きていないか一つずつ確かめていきましょう。
- サイズ・素材・使い方・同梱物の情報が商品ページに足りない
- メイン画像が商品の特徴を伝えられていない
- レビュー件数が少なく、購入前の不安が残る
- 送料と納期の条件が商品ページで分かりにくい
- 集客した検索キーワードと商品ページの内容がずれている
- 価格が同ジャンルの相場から離れている
楽天市場の転換率を上げる施策
転換率の改善は、顧客が目にする商品ページの見え方から手をつけていくと、成果が早く出やすくなります。施策はアクセス数が多くて転換率が低い商品から順番に実施していきましょう。ここからは、先ほど挙げた原因の順に次の施策を解説します。
- サイズや素材の情報を商品ページに書く
- メイン画像で商品の魅力を伝える
- レビューを集めて購入前の不安をなくす
- 送料と納期の条件を分かりやすく示す
- 検索キーワードと商品ページをそろえる
- クーポンは利益を計算してから使う
サイズや素材の情報を商品ページに書く
購入を決める前に確かめたい情報がページ内に欠けていると、顧客は比較のために別の店舗のページへ移ってしまいます。サイズや素材、具体的な使い方、同梱物の内容、保証の有無といった情報は、商品ページの中で迷わず探せる位置に配置しましょう。
サイズを記載するときは、単なる数値だけでなく、身近なものと比べた大きさを併記するとより伝わりやすくなります。また、顧客からの問い合わせで繰り返し聞かれる内容がある場合は、あらかじめ商品ページに書き足しておきましょう。
メイン画像で商品の魅力を伝える
メイン画像は、検索結果の一覧画面と商品ページの両方で顧客が最初に見る重要な要素です。楽天市場には商品画像登録ガイドラインがあり、第1商品画像とSKU画像には独自のルールが適用されます。
具体的には、画像内のテキスト要素の占有率を20%以下にすること、枠線を使わないこと、背景は単色の白または写真背景にすることが定められています。推奨されるサイズは700×700ピクセル以上の正方形で、ファイル形式はJPEGまたはPNGです。
このルールの範囲内で、商品の全体像が分かる構図を作り、サイズ感が伝わる比較対象を入れる工夫が求められます。占有率の判定方法や個別の表現が認められるかは、店舗運営Naviで確認してください。
レビューを集めて購入前の不安をなくす
レビューの件数と評価の高さは、顧客が購入を決める直前に必ず見られる要素です。ただし、商品代金の返金やその他の報酬を条件にして投稿を促すことは、不正レビューとして厳しく禁止されています。
一方で、「レビューを書いたら次回送料無料」といった特典を伴うキャンペーンについては、認められる例として示されています。どこまでが認められる施策になるかは個別の判断となる部分もあるため、実施する前に必ず店舗運営Naviで確認するようにしてください。
また、低評価のレビューがついた場合には店舗から丁寧に返答し、真摯に対応する姿勢を示しておくことが大切です。
送料と納期の条件を分かりやすく示す
送料と納期が不明確な状態は、購入手続きに入る直前での大きな離脱要因になります。送料込みの価格なのか、あるいはいくら以上購入すれば送料無料になるのかを、ページの上部で分かりやすく示すのがおすすめです。
また、翌日に商品が届く配送品質のサービスとしてRakuten最強翌日配送があり、対象となる商品には「最強翌日配送」というラベルが表示されます。
このラベルの利用にあたって、手数料や月額料金は発生しません。注文の締め切り時間は曜日やショップの営業体制によって異なるため、商品ページ上に明記しておくことが求められます。
検索キーワードと商品ページをそろえる
転換率が低い原因は、ページそのものではなく、集客に使った検索キーワードとの相性にあることも珍しくありません。RMSの商品別検索キーワードを使えば、商品ごとにどのような語句で流入しているかを確認できます。
もし、商品の内容と合っていないキーワードでアクセスが集まっている場合は、商品名やキャッチコピーの言葉を実際の商品に合わせて修正する必要があります。同時に、広告を使って流入させるキーワードも、商品ページの内容と一致するものだけに絞り込みましょう。
アクセスを増やすための具体的な手法は、楽天SEO対策とは?アルゴリズムの仕組みから具体的なやり方まで完全ガイドが参考になります。
クーポンは利益を計算してから使う
値引きやクーポンの発行は転換率を一時的に引き上げますが、同時に利益率を下げることになります。そのため、実際に値引きを行う前に、値引き後の粗利がいくらになるかと、利益を確保するために必要な注文件数をあらかじめ計算しておかなければなりません。
また、常に値引きをしていると顧客の中での価格の基準が下がってしまうため、期間を区切って活用することが大切です。商品ページの情報拡充など、値引き以外に手をつけるべき箇所が残っている場合は、まずそちらの改善を先に行うとよいでしょう。
TSUMUGUの「楽天市場の転換率(CVR)改善方法|業種別平均・RMS活用・施策28選まで実践解説」の記事も参考になります。併せてご覧ください。
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転換率を上げる施策を順番に進めようとしても、商品ページの修正、広告の運用、売上の分析で担当者が分かれていると、連携が取れずに作業が止まりやすくなります。社内の手だけでは回らないと感じたときは、専門の企業にまとめて任せるのも一つの選択肢です。
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まとめ:楽天市場の転換率は平均と比べてから改善する
楽天は転換率の平均値を公表していません。そのため、自店舗の数値が高いか低いかを判断するには、同じジャンルの店舗平均を比較対象にする必要があります。
まずはR-Karteで自店舗の数値を取り出し、同ジャンルの平均値と前年同期のデータの両方と見比べてみてください。現状が把握できたら、アクセスが多く転換率が低い商品を選び出し、商品ページの改善から着手するのが売上を伸ばすための近道です。

